BODY × BIZ

インクラインベンチの角度を直さない人が、半年後に単価で負ける理由

ジムで観察していると、インクラインベンチに座る人は二種類に分かれます。前の使用者が設定した角度のまま押し始める人と、10秒使って自分の胸筋の付き方や当日の肩の状態に合わせて角度を組み直す人。この差はトレーニング効果だけでなく、半年後の仕事の受注単価にも表れると私は考えています。

広告

「前の人のまま」は、実は最適化を放棄している

インクラインベンチの角度は、一般的に30度から45度の間で調整します。この5〜15度の差で、大胸筋上部・三角筋前部・上腕三頭筋への負荷配分が明確に変わることが、指導現場では繰り返し観察されています。

にもかかわらず、多くの方が前の使用者の設定をそのまま使います。理由はシンプルで、「だいたい合っているように見えるから」「調整するのが面倒だから」です。しかしこの判断は、自分の骨格・柔軟性・その日のコンディションという三つの変数を無視した最適化の放棄と言えます。

結果として、鍛えたい部位に十分な刺激が入らず、半年経っても胸の形が変わらない、という状態が起きます。

広告

ビジネスで起きる、まったく同じ構造

この構造は、受注の現場でそのまま再現されます。

私がAI活用の相談を受ける中で気づいたのは、単価の低い受注者ほど「よくあるテンプレート提案」をそのまま顧客に持っていく傾向があるという点です。他社の成功事例、ネットで拾った提案書、AIが生成した標準的なアウトプット。それらを角度調整せず、前の使用者の設定のまま押し始めているのです。

一方、単価を上げていく方は、顧客の業種・組織規模・意思決定者の性格・予算執行のタイミングという複数の変数に合わせて、毎回提案の角度を組み直します。使うフレームは同じでも、当てる角度が違う。この10秒、いえ10分の差が、提案の刺さり方を決定づけます。

「調整コスト」を払える人が、単価を握る

興味深いのは、両者の能力差が実はそれほど大きくないという点です。分かれ目は、面倒な調整コストを毎回払うかどうか、という習慣の問題に近いと考えられます。

ベンチの角度を毎回直す人は、自分の身体という条件を主語にして道具を扱っています。テンプレートを毎回組み直す人も同じで、顧客という条件を主語にして提案を扱っています。逆に前の設定のまま使う人は、道具や提案の方が主語になっている状態です。

受注単価とは、突き詰めれば「あなたが我々の条件で考えてくれた分の対価」です。汎用的な提案には汎用的な価格しかつきません。

広告

次にジムに行ったとき、あるいは次に提案書を開くとき、前の設定のまま押し始めていないか、10秒だけ確認してみてください。この習慣を業務にどう移植していくかについては、note の深掘り記事で具体的な手順を書いています。

メンバー限定の深掘り記事を読む →
月¥500 / フィジカル × 事業の実践記録、メンバーシップ限定で公開中