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プレートを戻さない人が、次の一手で迷う理由

ジムで長年指導していた頃、ある奇妙な相関に気づきました。使い終わったプレートを所定の位置に戻さない方ほど、次のメニューで「何をやればいいか」と立ち止まる時間が長いのです。単なる礼儀の問題ではありません。これは意思決定における「終端処理」の能力が、所作として現れている現象だと考えられます。

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終端処理が次の判断速度を決める

プログラミングの世界では、処理を終えたあとにメモリやファイルを解放することを「終端処理」と呼びます。これを怠るとリソースが残り続け、次の処理が重くなる。人間の意思決定も、構造としては似ていると考えられます。

あるタスクが終わったとき、机の上、頭の中、ツールの状態を「初期位置に戻す」作業を挟むかどうか。この数秒の所作が、次の判断に使える認知リソースの量を決めています。

ジム床のプレート1枚を戻さない方は、無意識のうちに「終わったタスクの後始末」を保留する癖がついている可能性があります。そして保留された案件は、頭の片隅で微弱に処理リソースを消費し続けます。

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経営者の判断渋滞は、抱え込みではなく「戻し忘れ」

判断が渋滞している経営者の方とお話しすると、「タスクが多すぎる」と表現されることが多いのですが、観察していると本質はやや異なるように感じます。タスクの量そのものより、「終わったはずなのに頭から降りていない案件」の数が問題になっている場合が少なくありません。

たとえば、決裁したのに関係者への通知を後回しにしている。会議で結論が出たのに議事の確定を保留している。こうした「戻し忘れたプレート」が脳内のラックに散乱した状態で、次の重要な意思決定に向かおうとする。当然、判断は鈍ります。

1セットの終わりに、戻す習慣を設計する

ベテランのトレーニーほど、セットを終えた瞬間にプレートへ手をかけます。次種目を考える前に、まず現在の片付けを済ませる。順序が逆ではないところがポイントだと考えられます。

仕事においても、1つの案件を「終えた」と判断する基準を、成果物の完成ではなく「次の人へ手渡し、自分の手元から消えた状態」に置き直すと、判断渋滞は緩和されやすくなります。これは時間管理術というより、認知の設計の問題だと私は捉えています。

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今あなたの机、受信箱、頭の中に、「戻し忘れたプレート」は何枚残っているでしょうか。次の打ち手で迷うとき、その迷いは情報不足ではなく、終端処理の不在から来ているかもしれません。具体的なタスク棚卸しの手順については、noteの深掘り記事で扱っています。

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