BODY × BIZ

ジムで「今日のメニュー」を書く人が、半年後に会議の主導権を握る理由

ジムの入口で、スマホのメモに「今日のメニュー」を箇条書きしてから入る人が一定数います。地味な行為ですが、指導現場で観察していると、この習慣を続けている方は半年ほどで仕事の打ち合わせの進め方まで変わっていく傾向があります。偶然ではなく、両者には共通の構造があると私は考えています。

広告

トレーニング前3分の「設計」が何を生むのか

ジムに着いてからメニューを考える人と、入る前に書き出す人の違いは、所要時間ではなく「意思決定の順序」にあります。前者は現場の気分や混雑状況に流され、後者は自分の設計図を環境に対して提示する側に回ります。

この3分間でやっていることを分解すると、三つに整理できます。一つ目は、今日の目的(刺激の対象部位・強度)の明確化。二つ目は、使用器具と所要時間の見積もり。三つ目は、途中で崩れた場合の代替案の用意です。つまり、ゴール・リソース配分・リスク対応をあらかじめ言語化しているわけです。

これは会議設計のアジェンダ作成とまったく同じ構造だと考えられます。

広告

アジェンダを先に出す人が主導権を握る理由

打ち合わせの前日、あるいは当日の朝に「本日の論点と着地イメージ」をクライアントや社内に共有する人は、会議の空気を支配します。これは声の大きさや役職ではなく、議論の枠組みを先に提示したから、という構造的な理由によるものです。

人は、提示された枠組みの中で思考する傾向があります。アジェンダに「決定事項」「相談事項」「次回宿題」と区分けされていれば、参加者は無意識にその分類で発言を整理します。結果として、会議の着地点は提示側の設計に収斂していきます。

さらに重要なのは、アジェンダに所要時間を記載することで、クライアントの期待値そのものをコントロールできる点です。「30分で全てを決めきる会議」と「次回に持ち越す論点を含む会議」では、同じ結論でも相手の満足度は変わります。

身体で先に鍛えた回路が、ビジネスで再利用される

興味深いのは、アジェンダ共有の重要性を頭で理解していても、実行し続けられる人は多くないという点です。多忙だから、相手に任せる方が楽だから、という理由で後回しになります。

一方、ジムで毎回メニューを設計している人は、「3分の投資で全体の質が変わる」という体感を身体で持っています。この体感こそが、仕事場面での持続的な実行を支えていると、私は観察しています。知識ではなく、神経回路として設計習慣が組み込まれている状態です。

トレーニングは身体を変えるだけの行為ではなく、意思決定のフォームを矯正するトレーニングでもある、と捉え直すことができるのではないでしょうか。

広告

あなたが次にジムへ行くとき、入る前の3分で何を書き出すか。そして次の打ち合わせの前に、同じ粒度でアジェンダを設計できているか。両者を並べて点検してみると、自分の「設計筋」の現在地が見えてくるはずです。より具体的な設計テンプレートについては、note の深掘り記事でまとめています。

メンバー限定の深掘り記事を読む →
月¥500 / フィジカル × 事業の実践記録、メンバーシップ限定で公開中