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ジムで「次の種目」を10秒迷う人は、経営でも隙間で利益を溶かす

指導現場で長年観察してきた中で、興味深い相関があります。トレーニング種目と種目の間で「次、何やろう」と10秒以上迷う方は、仕事においても案件と案件の切り替えに時間がかかる傾向が見られるのです。これは精神論ではなく、動線設計と意思決定コストという構造的な問題だと考えられます。今回はこの「遷移速度」というテーマを、身体と事業の両面から解剖してみます。

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セット間インターバルに潜む「決定の遅延」

ジムで効率的に追い込める方を観察すると、共通点があります。種目の順番、使用重量、レップ数、休憩時間が、ジムに入った時点で既に決まっているのです。つまり、セットが終わった瞬間に身体は休み、頭は何も考えていない状態を作れています。

一方、毎セット後に「次はどこを鍛えようか」「重量はどうしようか」と考え始める方は、休憩時間が実質的に伸びます。3分の休憩のうち、後半1分は意思決定に使われている。結果として総トレーニング時間は長くなるのに、追い込めた質量は減るという逆転現象が起きます。

これは怠惰の問題ではなく、設計の問題です。事前に判断を済ませていれば、現場の自分は実行に集中できる。この構造を理解しているかどうかが、成果の差を生むと考えられます。

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経営者の「案件と案件の隙間」で何が起きているか

同じ構造が、事業ポートフォリオの運用にも当てはまります。A案件のミーティングが終わり、次のB案件に頭を切り替えるまでに何分かかっているか。多くの方が、この遷移時間を計測していません。

私の場合、複数事業を並行させていた時期に明確に気づいたのですが、案件Aから案件Bへの切り替えに15分かかると、1日に5回の切り替えで75分が消えます。これは新規提案書を1本書ける時間です。しかも、切り替え途中の脳は、どちらの案件にも100%入っていない「半稼働状態」になります。

セット間で迷う人がトレーニング密度を下げているのと同じ構造で、案件間で迷う経営者は、稼働時間あたりの利益密度を下げているのです。

遷移コストを下げる三つの設計原則

指導現場と自身の事業運営から抽出した原則を、三つに絞って共有します。

一つ目は「次の行動を、前の行動の最中に決めておく」こと。種目をやりながら次の種目を意識しておくのと同様に、A案件の対応中に、次に着手するB案件のファーストアクションだけは決めておく。これだけで遷移は数秒で完了します。

二つ目は「切り替えのトリガーを物理化する」こと。トレーニングノートをめくる、特定のアプリを開く、デスクの配置を変えるなど、思考ではなく動作で切り替える設計です。

三つ目は「同種の負荷をまとめる」こと。脚の日に脚を集中させるように、思考系の案件は午前にまとめる、定型処理は午後にまとめるといった配置で、切り替え回数そのものを減らします。

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遷移速度は、能力ではなく設計の産物だと私は考えています。ご自身の1日の中で、案件と案件の「隙間」が何分あるか、一度測ってみてはいかがでしょうか。隙間を可視化したうえで、どう設計し直すか。具体的な手順については、noteの深掘り記事にて整理しています。

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